吉村昭『羆嵐』S57, 新潮文庫

  • Day:2006.03.26 13:20
  • Cat:BOOK
現在の北海道は天塩山麓にある苫前町近辺を舞台にしたドキュメンタリー。文庫の裏の紹介によると、「日本獣害史上最大の惨事」とある・・・大正4年にわずか2日間に6人の男女を殺害し、近隣の開拓村に多大な恐怖を与えた大事件。その巨大で残虐な羆と対決する一人の老練な猟師の姿がこの本のメイン。

かなり面白いです。当時の北海道の開拓村の暮らし、自然の厳しさに負けじと田畑を開墾していく人々の姿。当時の暮らしぶりは、いまの若い人たちは親や祖父の話からも聞くことはほとんどないし、先達たちの苦労がこの本を読むととてもわかる。

それにしても、羆と住民との対峙のシーン、また住民を喰い殺した羆を仕来りとして今度はその羆をやっつけたときに皆が頑張って食べるシーンなど、スリリングな展開が続きます。

そういえば、日本海オロロンラインを車で走っていると、苫前あたりで、「苫前ダベアー」と「だべや」という北海道弁と、「ベアー」(熊)をかけた強烈な看板がたびたび見かけますが、この物語と関係しているのだろうか・・・
スポンサーサイト

関空、伊丹、神戸の各空港からの京都市へのアクセス

  • Day:2006.03.19 20:52
  • Cat:KYOTO
何かと問題視されているこの大阪圏の三空港。今後、京都と北海道の往復で、たびたび利用することになるので、ちなみにどこの空港が便利か(値段と時間)比較してみた。


■関西空港
<JR特急はるか>京都→関空 3690円(自由席なら2800円程度だったと思う)(73分)
<JR乗り継ぎで>京都→大阪→天王寺→関空 1800円程度(90分?)

特急一本でいけるので、便利ではある。でも、特急を使わずに新快速など行っても1800円もするのは高い。大阪の地下鉄を使うとかすれば、もう少し安くいけるかもしれないけど、そこまでするほどでもないし。やっぱり京都までは遠く、値段も張る。

■伊丹空港
<JR&バス>京都→(新快速)→新大阪→伊丹空港 1030円(63分)
<空港バズ>京都→伊丹空港 1280円(55分)

伊丹と京都間はいつも空港バスで移動していたけど、これはなかなか便利。ただ、空港バスがでるのが、京都駅の南口の方ではあるが。それと、最近、伊丹と新千歳間の料金が値上がりしたのかなんなのか、関空/神戸に比べて3000円高い!

■神戸空港
<JR>京都→(新快速)→三ノ宮 1290円?(73分?)
<阪急>大宮→十三→三宮→(ポートライナー)→神戸空港 920円(75分)

伊丹にくらべると時間はかかるが、値段的には神戸空港と京都が案外安い。もちろん、京都のどこへいくのかが問題にはなるけど、阪急を使った場合は、今回は大宮で値段を調べました。

新千歳と神戸は1日2本。伊丹が本数が減っているし、値段も高い。そういうことを加味すると、京都へ行くのに神戸空港というのもありだ。4月に京都へ引っ越すときには、神戸空港を使う予定なので、試してみたい。とはいえ、新千歳からの大阪便がこの3つに分散されてしまうというのは、ちょっと問題。乗り過ごした場合、少し早くついたときに早い便へ変更したい場合など、新千歳便がないという事態が多々発生。先日も、関空をつかったときに、予定よりも早く用事が済んだので、さっさと帰ろうと思ったら、便数がぜんぜんないなんてことに・・・



参照サイト
☆大阪百科☆関西空港へのアクセスについて

橋本治『乱世を生きる 市場原理は嘘かもしれない』2005, 集英社新書

  • Day:2006.03.18 14:02
  • Cat:BOOK
この本を読む直前に、梅田望夫『ウェブ進化論』を面白く読んでいたせいか、新しい見解や意見などが特に見受けられない本書の出来はいまいちに感じた。あまり面白くない。目次を読んだだけで大体本書の内容はわかります。

・「勝ち組・負け組」という二分法
・しかし、「地方」と「中央」は逆転している
・一つの「中央」で残り全部の「地方」を支えるのは無茶だ
・「エコノミスト」という新しい思想家
・価値観はいろいろ
・「経済」とはただ「循環すること」である
・なぜ世襲制はなくなったのか?

など、魅力的な項目が並んでいるんだけど、この項目から類推できる以上は述べていないんだよね。日々、社会の動向にアンテナを張って、ある程度物事を自分で考えるということをしている人にとっては、本書はあまり新鮮味がない。

いま新書を読むなら、『ウェブ進化論』の方がはるかに面白いし、その後の思考の展開も幅が広がる。

梅田望夫『ウェブ進化論』2006, ちくま新書

  • Day:2006.03.18 14:01
  • Cat:BOOK
久々に面白い新書を読みました。すでにベストセラーの一冊になっているみたいですけど、これは面白い。内容紹介で、
インターネットが登場して10年。いま、IT関連コストの劇的な低下=「チープ革命」と検索技術の革新により、ネット社会が地殻変動を起こし、リアル世界との関係にも大きな変化が生じている。ネット参加者の急増とグーグルが牽引する検索技術の進化は、旧来の権威をつきくずし、「知」の秩序を再編成しつつある。そして、ネット上にたまった富の再分配による全く新しい経済圏も生まれてきている。このウェブ時代をどう生きるか。ブログ、ロングテール、 Web2.0などの新現象を読み解きながら、大変化の本質をとらえ、変化に創造的・積極的に対処する知恵を説く、待望の書。

と記されている通りの本です。

特に面白かったのは、インターネットの世界を取り巻く企業の取り組みや発想を「こちら側」と「あちら側」に分けて整理したところ。これは面白い。

以下、印象に残った箇所を羅列
・IBMのパソコン事業売却の意味*59
・グーグルの組織マネージメント。メールではなく、ブログを使う意味。*78
・グーグルと楽天・ライブドアの違い。後者は日本の従来の生活密着型サービス産業の系譜。89
・ヤフーはメディア、グーグルはテクノロジー*92
・ロングテール現象とグーグル、アマゾン*98
・Web2.0の本質とは、「ネット上の不特定多数の人々(企業)を、受動的なサービス享受者ではなく、能動的な表現者と認めて積極的に巻き込んでいくための技術やサービス開発姿勢」*120
・グーグル、アドセンス経済圏成立の本当にすごいところ。発展途上国と先進国の富の分配システムが同じ土俵に。*160
・不特定多数無限大への信頼の有無と、ネットのこちら側・あちら側をクロスさせた4象限でネット関連企業を分類*223


そして、これらを理解するには、本書で何度か出てくる「アナロジーで理解しようとしてはいけない」(ファイマン教授)という指摘を留意する必要がある。

あたらしい教科書編集部編『あたらしい教科書 0 学び』2006, プチグラパブリッシング

  • Day:2006.03.18 12:43
  • Cat:BOOK
予想以上に面白かった。「学ぶ」ということは何なのかという疑問を持っている人や、これから何かを学ぼうと思っている人は読むといいと思う。かなり動機付けがアップする。ハウツー本ではないが、学びのヒントが詰まっている。侮るなかれ。

科学は世界観を決して呈示はしていなくて、あくまで方法なのに、現代ではツールにすぎないという意識がなくなってきている。科学によっていずれすべて明らかになると思っていますから、まあ、謎のある余地なんて現在は本当にないんですよね。*45<文筆家・池田晶子>
科学はツールにすぎないなんて当たり前のことだけれど、時にそれを忘れてしまう・・・
私は今は「理解できない」無・理解の世界じゃなくて、「理解を拒む」非・理解の世界だと思うんです。*72<ライター・豊崎由美>
戦争、民族紛争、日本の東アジア近隣国との関係、勝ち組・負け組などなど、考えるヒントになる言葉。
大学院の時、嶋田先生が言った言葉ですごく印象に残っているのは、3ヶ月あれば専門家と話ができるってこと。専門家にはなれませんよ。でも、何かについて知りたいと思ったら、写真だったら写真展にバーッと行っちゃうとか、本を読みまくるとかするとだいたいわかるんです。それを次の段階では形にしてみるといい。ただ見るんだけじゃなくて、短い文章を書いてみるとか。まず見て、自分の中での思考のシステムを作って、次にそれを形にしてみるのを面倒がらずにやるのがいいんじゃない?本当に好きだったら続くはずだし。これは自分にあんまり合わないなって思ったらやめたらいいんだから。*85<写真評論家・飯沢耕太郎>
形にするってのが大事。アウトプットすることは、結果としてインプットの強化にもつながる。何がわからないのかがわかるようになる。
今の日本のスポーツに関して課題だと思うのは、日本には「スポーツ」がなかったことですね。「スポーツ」って本来は遊びとか楽しむということなのに、日本は「体育」と訳してしまった。当時は富国強兵の時代ですからね。そのすべてを否定するわけではないけれど、今は体育とスポーツは分けて考えるべきだと思っています。*118<スポーツジャーナリスト・二宮清純>
自分がスポーツをどういう意識でやるか。

※編集部おすすめ学びのヒント
・常に好奇心旺盛で
・苦手意識よりも未熟意識を
・正解のない世界
・知らないということを知る
・疑ってみることの大切さ
・書くことで、考える
・話の聞き方のコツ
・Unlearningしてみよう
・学びよい環境作り
・本はやっぱりよき先生
・現場主義は五感で「学ぶ」

 理解できるものではなくて、理解できないものを理解できるようになる。「学び」の本質って、そういうものだろうと思うんです。あることを学んだ瞬間、学ぶ前の自分と、学んだ後の自分が、全く違う人間に変化している。そして、その変化のプロセスを柔軟に受け入れることができる。これが最も重要な態度だろうと、僕は思います。
 けれども、一般的に「学び」ということ行為は誤解されているところがあります。どういうことかというと、自分が何を学びたいのかが明確にわかっていて、言葉で説明できてしまうようなものを人々は求めている。でもそれは「学び」ではないんですね。なぜなたその場合、学ぶ前の自分と学んだ後の自分が、全く変化していないんですから。そこで行われているのは、一種の「お買い物」です。*156<【あとがき】内田樹>
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。