宮島喬『ヨーロッパ市民の誕生』2004,岩波新書

  • Day:2005.08.01 19:10
  • Cat:BOOK
シティズンシップという概念を説明するのが目的なのかなと思っていたけど、どちらかというと現在のヨーロッパの人の移動(難民,移民)や民族アイデンティティの説明に終始してしまっているように感じた。シティズンシップの説明を新書風に平易に説明するのには失敗していると思う。とはいえ、いま民族のダイナミズムがもっとも激しく起こっているのが、アメリカではなくて、ヨーロッパだというのはよくわかる。
あと、おもしろいエピソードも紹介されていた。国籍法において出生地主義をとっているフランスも、もともとは1889年に兵隊を集めるためという国益重視の政策が、出生地主義を生み出したということ。外国人に国籍を開くこの寛大さも、国益主義を露骨に反映したものであるということ。
それと、EU内で唯一生まれた子供に無条件に国籍を与えている国としてかつて、アイルランドがあった。EU内定住を目指す域外外国人女性がアイルランドで子供を産む「出産ツアー」があとをたたなかったらしい。他のEU諸国からの批判もあり、この出生地主義は2004年に改正されたとのこと。
あと、パリティとアファーマティブアクションの理念における違いも説明されていて、これまで混同して理解していたので、整理できたよかった。
全体として本の出来は、いまいち。
感想は、民族、シティズンシップ、国籍といった事柄に対する考え方に、ヨーロッパと日本の果てしない距離感を感じた。
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佐藤秀峰『海猿』

  • Day:2005.08.01 19:09
  • Cat:BOOK
原作のコミックをはじめて読んだ。ドラマと比べると、原作の方がちょっとだけ面白い。その理由だけど、おそらく、加藤あいが「恋愛」を演じるのに不似合いだから。加藤あいは女優としてすごく好きなんだけど、恋愛って感じじゃない。その辺が、原作に負けていると思う。
でも、伊藤英明はともかくとして、時任三郎、中村トオルら海保の脇役たちの好演振りは原作よりも上。海保の男たちの仕事振りは、ドラマのほうが面白い。
ドラマとコミックで方向性は違うから一概には言えないけど、原作のほうがちょっとばかし上のような気がするな。だって、やっぱり原作はヒロインがいい味をだしてる。ヒロインと仙崎の絡み合いが原作はかなり面白い。その点、ドラマはヒロインの力が不足しているのかもしれない。とはいえ、ドラマの海猿はまだ半分もいっていないので、今後の展開には期待いっぱい。
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